額づくり(2)

今回は、ジグを使った額づくりを紹介する。また、接続部の補強としてカンザシを作ってみる。

額の制作は、45度の加工をして組み合わせたときに正確な直角を出すという木工の基礎を練習するのに好材料だ。プロの大工さんは手ノコと差し金で正確にピタッと決める。素人にはなかなか難しい。

素人用にジグが販売されている。ソーガイドなどはかなり正確に45度の切断が可能だ。しかし、合わせてみると綺麗な四角が出来ていないことが多い。

皆さん、悩みは同じでいろいろな工夫をしているようだ。今回試してみるのは、@直角に材を配置しそのまま45度に切断することが出来るジグと、Aカンザシを入れるためのジグの2種類である。

そもそも額とは以下のようなイメージのものが見栄えも良くオーソドックスなものだ。額は木で作るが額に入れる絵や写真の周りに台紙を入れるのがミソだ。台紙はいろいろな厚みのものが文房具屋に売っている。私は1mm厚のものをよく用いる。

台紙を入れる場合、絵や写真の窓の切り口を45度にカットする必要があり、ある程度の厚みが必要だ。台紙は色も豊富に揃っているので中に入れる絵や写真の色合いにマッチしたものを選べる。









額の断面を以下に示す。台紙を45度にカットするのがミソで額全体の見栄えが良くなる。







台紙を45度にカットするのは下の写真のような専用のカッターがある。定規に沿ってカットするが、これが結構難しい。いっぺんに切断しようとせずに少しずつカットしていくのがコツだ。一度にカットしようとすると定規が微妙にずれるからだ。

プロ用の台紙切断機があるが、カッターが定規に固定されるガッチリしたもので力を入れて切断してもずれない構造になっている。ちなみに値段は数万円で素人にはとても手が出ない。







まずは材料集めからである。他の木工で余った材料を用いて作ることにする。必要なものは額の縁にする幅の狭い角棒、絵や写真を押さえる厚さ3mmのベニヤ等である。




額の縁になる材料を切り出しフレームを作る。断面が四角形の材料を、下の写真のようにマルノコ盤で9の字になるように切断する。




下の写真のようにスライドテーブルのセットしたジグにC型クランプを用いて材を固定し切断する。









このジグを精度良く使うには幾つかの勘所がある。まず、ジグの調整だが、先に書いたようにジグを固定する穴は1mm程度の余裕を持って空けジグをセットするときに微調整できるようにしておく。

まず、ジグをラフにセットした後、下図赤線の直角をきちんと出しておく。この直角さえきちんと出しておけば、2個あるそれぞれのジグが多少ずれても、次に示す使い方していれば精度上の問題はない。












このとき切断の順序は以下のように、順番に回していくように切断していくと間違いがないし、正確で精度良い45度の調整が可能になる。









額は、上の図でAとB、CとD、EとF、Fと@を接合すれば完璧な直角が出来上がる。


45度に切断した部材を接続するにはいろいろな方法があるが今回はカンザシを用いることにした。下の写真はカンザシ用の溝を作るためのジグである。C型クランプで材を直角に固定する。




フェンスをセットしてジグをスライドし溝を作る。




カンザシ用に薄く切った材料を溝にはめ込んでみた。




木工ボンドをたっぷり塗ってカンザシをはめ込んだところである。額用のクランプを使って締め付けて固定するが、カンザシがきつめだったのでクランプ無しである。はみ出た木工ボンドは濡れた布で乾く前にふき取っておくのは言うまでもない。





釘や木ねじの頭を隠すために用いるダボを切断したり、今回のようにカンザシを切断したりするのに便利なノコがある。下の写真のように弾力性がありアサリが片方にしかないノコである。このノコを用いると切断面が綺麗な平面になる。




下の写真のように指でノコを押さえながら額にノコを密着させて切断すると綺麗な切断面に仕上がる。




カンザシの切断面は下の写真のように綺麗になる。接続部分にはどうしても若干の隙間が出来るので木工パテで埋めると塗装後の表面が綺麗になる。




はみ出たパテは乾燥した後、カンナで大まかに削ってからヤスリをかける。ヤスリをいきなりかけると綺麗に仕上がらない。パテの部分だけが削れるだけではなく周りも削れるので平面が綺麗に出ないのである。

昔、パテで埋めた後を一生懸命にヤスリをかけていたとき、ベテランの大工さんに、「カンナで削った後にヤスリで仕上げるといいよ」とアドバイスをもらったことがある。なるほどである。




もちろん、カンザシ部分にもカンナをかけてからヤスリをかける。下の写真のように綺麗に段差無く仕上がる。




カンザシ部分、パテの修正が一通り終了したら、額全体にペーパーをかけておく。ここで裏当て用の板を切りだしておく。額は正確に作っても微妙にゆがんでいる。したがって、裏当て用の板は額の寸法に合わせて切断する。




裏当て用の板を額にはめ込んだ様子。今回は大きめのものを1つ、はがき大の絵を入れる小さな額を2つ製作した。





額の塗装は結構難しい。手で持って塗装すると持っているところが塗れなくなる。下の写真のように引っ掛け金具を用いて塗装しているが安定性がいまいちである。







下の写真のようにトンボ(裏板の留め具をトンボというらしい)と額をつるための金具を取り付けて終了。












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