子供部屋の改造

下の息子が4月から県外の大学に通うことになり、私の書斎(上の娘の部屋を改造、といっても物置化しているが)と同様に、息子の部屋をかみさんの書斎に大改造することとなった。


基本コンセプト

・広い作業スペースを確保する→出来るだけ大きな机

・本棚は置かない

・お茶を飲むスペースを確保する→部屋の中央に丸テーブルを置けるようにする

・机の上に本棚等なにも置かない


平面プラン

以下の平面図のように壁一面に机を置き、中央に丸テーブルが置けるようにする。








フレームの構造

天板を25mmのランバー・コア材にするので中間にサポートを入れないと天板中央部が下がってしまう。したがって、フレームの構造は天板の中間部を補強する構造とする。

フレームはすべて2×4材を使い、フレーム同士の接続はビスケット・ジョイントと必要に応じてダボを使う。






天板を支える足

天板のコーナー部分を支える足は、上図のように足の部分と梁の部分からなる。天板として25mm厚のランバーコア材を用いるので、長手方向を1m以上の天板とするためには中間に補強のための足を作る必要が有る。そうすると図のようにコーナー部分にデッドスペースが生じる。

この部分を有効に利用するために収納スペースとし、アクセス性を考えて片面からのアクセスが出来る収納棚とする。

 

天板の下

天板の下は全てキャスタ付きの引出しやワゴンとする。天板の下は基本的には収納スペースとするが引出しは使わない。なぜなら中に入っているものが分からなくなるからである。収納は基本的に中が見える棚にすべきだと思っている。しかも全体を出し入れ出来るようにキャスタを付ける。こうすれば取りだしてちょっとしたテーブルとしても使用が可能だ。

何かに集中してもの書きをしようと思うとコックピットのような配置が望ましい。自分の手の届く範囲に資料を配置できる。壁に沿って配置した机を補完する意味で収納スペースは移動できるようにし高さ等のサイズを合わせておく。

 

足の加工

天板の足は全て2×4材を用いる。最初に適切な長さ(作ろうとする寸法より〜10mm程度大きめに木取りし、後で高さ方向の調整が出来るようにする)に切断する。

このとき、ソウガイドは非常に便利で、素人がノコで精度良くきれいに切断するのを助けてくれる。是非、工房に揃えておくと良いと思う。



それぞれの材の断面を揃えるために自動カンナ盤にかける。ひたすら自動カンナ盤に材を送り込む単調な作業だ。削りくずの山となる。防塵マスクは必須である。



材の正確な長さは、自動カンナ盤の作業が終了した後、テーブル・ソーで行う。同じ長さのものは一緒に切断すると精度が上がる。



2×4材はゆがんでいる材が多いので、店で選ぶときに出来るだけ反りの少ないものを買い求める。しかし、正確なものは期待できないので、長い材を出来るだけ使わない木取りを考える必要が有る。短い材を組み合わせて長い材を形成するように木取りを考えるのである。だたし、つなぎ合わせたときに正確な直線がでるように、寸法取りや切削には正確に行うと同時に調整代を残しておく必要がある。

 

足の接続

接続は、シンプソン金具を使うと簡単だが、見栄えと強度を考えてビスケット・ジョイントを使うことにした。見栄えを考えなければ、シンプソン金具は優れた接合材である。素人にも簡単に接合が出来、接合強度も計算されていて、私のように車庫の2階化をするような場合は重宝した。

下の写真はビスケット・ジョインターを使ってビスケットの入る溝を切っているところである。



下の写真はビスケットを入れて仮組をしているところである。右手前に見える透明の容器はビスケットを入れておくためのものである。ビスケットは湿気を吸うと膨張してサイズが変化するので、このような容器に入れておく方がよい。この容器は容器内部の気圧を下げる機構が付いているので、湿気を嫌うものを長期間保存しておくのに都合がよい。食品などの保存にも適している。(私はオフコーポレーション(http://www.off.co.jp/)で購入した)



仮組で綺麗に組み上がることを確認したら、木工ボンドを塗ってクランプで固定する。ビスケットが入る溝にも木工ボンドを入れておく。ビスケットが膨張して組み上がりがしっかりと固定される。



同じように他の足も組み上げていく。



天板表面が正確に水平である必要が有るので、足の長さに付いても天板表面で水平がきっちり出るように気を付ける。建物の床は、正確な平面ではないと思って間違い無いので、最終的にはレーザー水平器を使って設置場所に合わせる形で調整する。

ちなみに私が使っているのはブラック・アンド・デッカー社の水平器である。これは壁の中の構造材の探査にも使えるので、壁に棚等を付ける際に強度が必要な場合に重宝する。1台持っておくと便利な測定器具のひとつだ。

ビスケット・ジョイントは、ホゾ組を使わずにとても強固に接続が可能だ。しかし、ビスケット・ジョインタは値の張る電気工具だ。4〜5万円の出費はアマチュア木工家にとっては決心のいる出費である。ホゾ組みと同等の強度が手軽に出るという面ではメリットが大きいので、木工を生涯の趣味とすることを決心された方は購入を薦める。

ホゾ組みは素人にとって難しいしうまく出来るときと出来ないときが有り、将来接合部が緩んでくる可能性が有る。私は不器用なせいか20年以上も木工をやっているのに未だに完璧に出来ない。もっとも、LEIGH社のMT−4ジグのように素人でも正確なホゾ組みが可能なジグも販売されている。私もよだれが出るほど欲しいが如何せん10万円以上もする高価なジグだ。大蔵省の許可はもらえそうも無い。


一体型の机の足

一体型机の脚部分の制作である。足と梁は金具を使って組み立てる。机の天板が幅65cm×長さ184cmと大きいので、足を一体型で制作すると移動が難しくなる。したがって、分解できるように金具と木ねじで組み立てることにした。




全体を組み上げたところである。



コンピュータを置く部分の机構造

コンピュータを配置する必要が有ると思うのだが、かみさんの主張は、「メインPCは個室よりリビングの共用スペースに有ったほうが良い」であり当面必要はなさそうだ。しかし将来のために机の一部の足にキャスタを付けて、天板と足ごと切り離し出来るようにし、机を裏返して裏側の配線が出来るようにしておく。

下の写真のように、壁側の足にキャスターを付けて、前足側を持ち上げて机を移動できる。



組み上げると下の写真のようになる。


 

 

天板の工夫

天板上には原則何も置かないコンセプトだが、スタンド等どうしても電気器具を置く場合がある。そのために、天板の壁側には隙間を開ける。この隙間を電源コードが通って天板下部へ配線される。角はコード痛めないようにトリマで丸くしておく。

下の写真は天板を壁側から撮ったものである。写真では良く分からないが天板の角はトリマで丸く削っている。側面の木端に張る角材は天板の壁側にコードを通すための隙間が空くように少し長めにして張り付ける。



木端に張り付けた角材はカンナをかけて平面を綺麗に出しておく。下の写真はカンナをかけているところ。





天板の木端に角材を張り付けている様子。




天板の木端に角材を張り付けるときにクランプの長さが足りなくなったので、途中に渡したクランプにクランプを引っかけて締め上げると張り付けた角材の固定が容易に出来る。




このような固定の仕方もある。




後はひたすらヤスリがけである。仕上がりに影響するので丁寧に根気よくやる。私はヤスリがけが一番苦手である。



天板の淵は市販の角材を張りつけて木端を保護すると同時に見栄えを良くする。角はトリマで丸く仕上げる。天板表面は塗料で仕上げるが、以前ラッカーを使用して、ゴム系の干渉材(器具の下に付いているゴム製のもの)が若干解けて机に跡が付く現象が見られたので、樹脂系の塗料を使って仕上げる。

下の写真はラッカーを塗っているところ。塗装は5回くらい塗ると完璧になる。1回目はムラを気にせずにおおざっぱに。最初の1回目は塗料がかなり材に染み込むので多めに用意しよう。

その後250番くらいのペーパーで表面をこする。空布で表面の削りカスを取り除いて2回目の塗装。これを2〜3回繰り返す。

その後400番くらいのペーパーで表面を仕上げる。同じように空布で表面を拭き上げ塗装する。回を重ねるごとに必要な塗料の量は少なくなる。これも2〜3回繰り返す。

光の反射を見ながら塗りむらがないか確認しながら仕上げる。




とりあえず天板が出来たので仮置きしてみる。コーナー部については別に作る予定だったが、面倒なので1枚の天板とした。

進行中に計画を変更するのは、自作ならではである。







下の写真で手前側の木端の木の色が白っぽくなっている部分は天板が追加される部分だ。




残りの天板は2枚に分割して作る。1枚分の全長が100cmを超えるのでサブロクのランバーコア材では2枚とれない。従って1枚は板をはいで造る。下写真では左側が1枚で造ったもの、右側が2枚の板をはいで造ったものである。




下の写真は、ポニークランプを使って木端材を天板に貼り付けているところだが、クランプの水道管と天板の間に薄い板を挟み込んで、クランプの水道管を天板から少し浮かすと、はみ出た木工ボンドをふき取るときに楽である。また、メッキをしていない水道管を使うときは、天板とピッタリ着けると天板に汚れが付くことがある。板を挟み込むとそれも防げる。




木端に張り付ける角材の縦横接合部である。縦横ともに45度に切断し接続する。片方の接着が十分乾いてからもう片方を張り付ける。同時に張り付けようとすると非常に難しい作業となる。一晩乾くのを待ってのんびりやるのがコツだ。




下の写真はコンピューターを置くための机の足である。




コンピューター本体を机の下に置くための台を設置する。




二つに分割した天板を塗装しているところ。手前の天板は長さが足りないので部分的に板をはいでいる。




下の写真は机の上に乗せる棚である。机の上を広く使うための工夫である。




下の写真はコンピューター用の机である。マウスのポインタを写真の上に乗せるとロールオーバー画面になり、引き出した状態になる。




下の写真のように机を引き出し裏から配線をすることが出来る。この机の奥の足にキャスターを付けているので机の出し入れがしやすい。(天板の手前を持ち上げて引き出すと容易に移動できる。)




とりあえず天板と足ができあがり机が組み上がった。全体像は下の写真。(手前に見える梯子状のものはロフトへ上がるためのもの)





棚の増設

書斎の整理が付かなくなってきた。以下の写真に示すように物があふれてきたためだ。もともと右側の壁に一段棚を作ったが、もうちょっと段数が欲しくなった。

@の部分は棚を、Aの部分はディスプレイ、プリンタ、ハードディスクケースを乗せる台を作る。特にAの部分は机の上を広くするために、机とテーブルの間に空間が出来るような台とする。




棚の材料は24mm厚、さぶろく(90cm×180cm)のシナランバーコアである。さぶろくの大きさの板をワークセンター2000で切断するときには、材の送りを安定させるためにワークセンター2000の前後にローラーをセットする。(以下写真参照)




自作したスライドテーブルを利用して縦の部材を切り出す。基準となる部材を利用して写真のように切断すると同じ寸法の部材が効率よく切り出せる。ワークセンター2000にはクロスカットモードがあり長い部材を切り出すのに便利なのだが、ノコを反転させ調整する必要があるためめんどうである。

クロスカットモードがノコを反転させずに可能になるのでスライドテーブルは重宝する。是非揃えておきたいジグだ。作り方は簡単である。




下の写真のように今回のいたの接続はビスケットジョイントを用いる。(棚板と縦の仕切の接続)




縦の仕切にビスケットジョインターでビスケットの差込口を切り込んでおく。




切断した横板の木端に木端テープを貼り付けている。木端テープを上手に張るコツは、糊の着いている側のビニルを一気に剥がさずに、少しずつ張り付けながら剥がしていく。




木端テープの終端は少し余らせて余分な部分をカッターで下の写真のようにして切る。




木端テープはランバーコア材の厚み24mmより若干大きめに作られている。若干はみ出た部分を綺麗に仕上げる道具がある。商品名は「HEAD PLEE」という化粧テープ用カンナである。一つ持っておくと重宝する。




便利だが方向が重要だ。下の写真のように木端テープ側は決まっているので注意する。逆にすると綺麗に仕上がるどころか木端テープがめくれてズタズタになる。忘れないようにマジックで印を付けておくことを勧める。




木端テープを貼ったら木工ボンドを使ってビスケットジョイントする。木工ボンドが乾くまでしばらくこのまま。




棚は同じように2段作って重ねる。2段目




3段目




棚の制作がとりあえず終了。少しは机の上が片づいた(?)と自己満足しておく。




パソコン用の台はダボ接続を用いた。窓枠と高さを揃えているのでカーテンをブラインドに替えると、今回制作した台とつながるので台の表面が広く使える。マウスの線は邪魔なのでワイヤレスである。








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