トリトン ワークセンター2000


精度調整

リジッドな足へ改造

ダストコレクション

精度調整再び

精度調整その2



精度調整

木工はマルノコ盤に始まってマルノコ盤に終わると言われるほどである。実際、アマチュアとしてマルノコ盤を使用してきたが、ルーターとともに重要な電動工具であると実感している。理由は、ジグを工夫すれば色々な加工が出来るからだ。

ワークセンター2000を使い初めて約5年間、いまさら調整でもないだろうが、最初のセッティングのまま使い続けてきて若干不満な点もあり、今回メンテナンスを兼ねて再調整することにした。

ワークセンター2000は、折り畳める機能性等日本の住宅事情に合っている、オプションが豊富である等、日本のユーザーが多い。反面、精度的に弱点がある等の指摘もある。しかし、調整を十分行えば後述の「家具工房ポプリ」のように精度良い素晴らしい家具を作れるのである。

今回はプロには負けるがアマチュアとして誤差を最小限に追い込んでみる。それにしても、昨年、トリトンが機械の生産を中止したニュースは残念である。




下の写真はテーブルを外したところだ。木くずが山のようにたまっている。




下の写真はダストコレクターの上の部分を外したところだ。ハイワンダーキットでマルノコが傾斜しているが木くずが落ちきれずにスライドシャーシ上にたまっている。




ワークセンター2000の調整について検索した結果、役に立つ記載は
ホームページ「趣味は木工とDTM(http://www.geocities.jp/woody_music/)」の中で述べられているノコ刃の直角についての調整(http://www.geocities.jp/woody_music/howto/shitaba-jougi.htm)がある。実際に材を切断しながらの丁寧な説明なので参考にされたい。
また、プロの木工房「家具工房ポプリ(http://www.popurri.co.jp/)」では有料で
完璧な調整(http://www.popurri.co.jp/yume_present.html)をしてくれるようだ。精度は1/100mm、お金を払えばプロの精度が手に入る。

ここでは、プロには及ばないがアマチュア的に調整にトライしてみる。ご意見等が有れば是非ともコメントをいただければと思っている。

この記事がトリトン ワークセンター2000のユーザーに少しでも役立てば幸いだ。


前提

マルノコ台の精度の確認を忘れてはならない。トリトン235mmパワーソーは大型でパワーがあるためワークセンター2000で使用するマルノコとしてはもっとも適している。しかし、大きめの台はアルミ製で華奢である。チェックしてみると平面がいまいちであることが分かった。




台に定規を当ててみると精度良い平面が出ていない。台と定規の間に微妙な隙間が出来ているのが分かる。下の写真はロールオーバーでマウスを当てると拡大写真になる。




台は下の写真のようにクランプで圧力を掛け少しずつ平面にしていく。クランプで圧力を掛けた後は必ず定規で確認するという調整を数回繰り返して所定の平面が出るまで続ける。






以上で前提条件であるマルノコの台の精度が出た。これをやっておかないとこれから後の調整が台無しになるので根気よくやっておこう。



調整すべき項目

トリトン ワークセンター2000の調整点は以下の5つだ。

(1)フェンスの直角性

(2)テーブルとノコ刃の直角性

(3)切り出し材の幅とフェンス設定寸法の一致性

(4)マイターゲージの調整

(5)スライドテーブルの調整


これらの調整を行うときに前提条件となるものにマルノコの刃がぶれていないことが必要だ。調整を始める前に必ずチェックしよう。トリトン製のマルノコを使用する場合は刃のぶれはほとんど無い。したがって、あまり気にする必要はないが、それ以外のマルノコを使用する場合は、ノコ刃がぐらぐらしている場合があるので対策が必要である。


フェンスの直角性

ノコ刃の直角性を出すのに基準となるのはテーブルだが、材のテーブル設置面がフェンス側の面より狭い場合は材がフェンスに寄りかかるようになる。サイドプレッシャーフィンガーを使う場合は材をテーブルに押しつける力よりフェンスに押しつける力の方が大きいためフェンスを基準とすることになる。このような場合、テーブルとフェンスの直角性が出ていないと材の切断面が直角にならない。

フェンスの部材そのものは直角のアルミ部材である。目盛りの付いたスライド部が折り畳めるようになっているためフェンスとスライド部の間に樹脂製のスペーサーが入っている。長期間折り畳む動作を繰り返すとスペーサーが変形し、フェンスをテーブルに設置したときにテーブルに対して直角にならない。これを補正してやらなければならない。

下の写真はフェンスにスコヤを当てたところである。写真で分かるように上部が若干開いていてフェンスが右側に傾いている。フェンスとスライド部の間のスペーサーの高さを調整してテーブルに対してフェンスが垂直になるように調整する。



スペーサーはスライド部をスムーズに折り畳めるようにするだけでなく、テーブル面からフェンスを若干浮かせてテーブル面を傷つけずにフェンスの位置調整をスムーズに行う役目もある。また、スライド部の目盛りを合わせるときに片側ずつ合わせ易いように自由度を持たせている。

そこでスペーサーの片側をペーパーで削ることによってフェンスの垂直度を調整する。



下の写真はスライドシャーシの調整箇所である。
@はスライドシャーシの長さをマルノコのベースに合わせて調整する。Aはソーロケーターでマルノコのベースを固定する。Bはアラインメントカムでマルノコのフェンスに対する平行を調整する。



@を緩めてマルノコをセットしベースがスライドシャーシにピッタリ収まるようにスライドシャーシの長さを調整した後、@を締めて固定する。

@を締めてマルノコをセットする。この際、後のマルノコベースの傾きを調整するときに必要な隙間を空けておくと良い。




マルノコをセットしたときに、アラインメントカムでマルノコベースを若干移動できるように、ソーロケーターとマルノコベースの間に1〜2mmの隙間を空けておく。

アラインメントカムの印は見難いので、あらかじめ黒色のマジックで着色し見易くしておくと調整がしやすい。アラインメントカムの印の向きは、両方とも上の写真で左側(ワークセンターの電源スイッチのある方向)に向くようにする。

Aのソーロケーターネジを締めてしっかり固定しておく。ノブを付けてマルノコベースをしっかり固定する。しっかり固定しておかないと、テーブルソーモードで調整をする際、マルノコをつり下げる形になるので、マルノコの重量でマルノコベースがズレる可能性がある。


マルノコをスライドシャーシにセットするとき、ノコ刃の安全カバーは下の写真のようにスライドシャーシの長さをマルノコベースに合わせて調整すれば、スライドシャーシに引っかかり戻らないようになる。




下の2枚の写真はマルノコをセットしたところで、1枚目がマルノコの右側、2枚目が左側だ。マルノコの左右はスライドシャーシとマルノコベースとの間に隙間がないようにスライドシャーシの長さを調整する。ソーロケーターとマルノコベースの間は1〜2mmの隙間を作っておく。ソーロケーターの印は左に向いている。








上の写真を真上から見ると位置関係は以下の図のようになっている。アラインメントカム固定用ネジはあらかじめ締めておき、アラインメントカムは付属のスパナで回して調整する。(スライドシャーシ、マルノコベース、ソーロケーター、アラインメントカムの位置関係)




テーブルとノコ刃の直角性の調整

ノコ刃の直角性の調整方法はワークセンター2000の取扱説明書に詳しい。下の写真の右側のノブを緩めてゼロ度にセットする。ノッチ構造になっているのでカチッと音がするところに合わせてノブを仮締めする。

微調整は左側のノブを使って行う。この際、ノブ上部のナットを緩める。




マルノコの傾きの微調整をするときは、下の写真のように反対側のノブを緩めておく。



テーブルを設置してマルノコの刃を最大限に出しスコヤで直角を確認する。テーブルとノコ刃が直角になるように微調整し、微調整の部のナット及び両側のノブを締めて固定する。


下の2枚写真のようにノコ刃の両方からスコヤを当てて、テーブルとノコ刃の直角性を確認する。直角が出ていないときは再度微調整ノブを使って調整を行う。







最終調整は、実際に材を切って行う。1度ではなかなか満足いく調整は出来ない。私の場合、4〜5回の繰り返しが必要だった。


ここでテーブルのセットに触れる。テーブルのセットはテーブルと台フレームに4カ所印が付いていて、それに合わせてからテーブルラッチをロックする。しかし、テーブルラッチの穴を旨く合わせるのは難しい。


そこで下の2枚の写真(1枚目:穴を合わせる、2枚目:テーブルラッチをロックする)のように、フェンスのスライド部からテーブルラッチの穴を見通し、両方の穴が合っていることを確かめてからテーブルラッチを操作するとスムーズにロックされる。

穴の位置が少しズレてもテーブルラッチはロックされるが、テーブルが不安定になるので、このようなロックの仕方が良いだろう。






試し切りする材は底面(テーブル面に接する面)の平面がしっかり出ている必要がある。手カンナで調整し平面がキッチリ出ていることを確認した上で試し切りする。


下の写真のように平面のきちんと出ている材を実際に切断してみてノコ刃とテーブルの直角性を確認する。




下の写真のように切断面にスコヤを当てて直角を確認する。写真ではノコ刃は若干右に傾いている。微調整ノブを使って修正する。





切り出し材の幅とフェンス設定寸法の一致性


これも粗々取扱説明書に従ってマルノコ位置を調整する。下の写真のようにフェンスをマルノコに軽く当て左右の目盛りをゼロに合わせる。取扱説明書には簡単に書いてあるが、実際この調整作業をやってみると、かなりの繰り返しと根気が必要だ。合わせる度にフェンスの目盛りが微妙にズレる。



この時、フェンスの左右スライド部の滑りはかなり良くないと誤差を生じる。油も良いが私はベタベタになるのがイヤなのでシリコンスプレーを使用して滑りを良くしている。

左右の目盛りのズレを頭に入れて、裏側からアラインメントカムを調整してノコの傾きを補正する。下の写真はスライドシャーシを裏返して調整しているのでソーロケーターのノブでマルノコベースが固定されていないが、いちいちテーブルを外す必要があるので、スライドシャーシを裏返さないでそのまま下からアラインメントカムを調整した方が手間がかからない。ただし仰向けの姿勢になるので、切断くずが目に入らないように保護メガネの着用が必要だ。



アラインメントカムをマルノコのズレを修正する方向に回して調整を行う。アラインメントカムの回す量はカットアンドトライである。何度かこの調整を繰り返すと、アラインメントカムをどれだけ回転するとスライド部の目盛りがどれくらい変化するか感覚がつかめてくる。

この操作は根気と時間が必要だ。私の場合、10回繰り返した。コツは一気に目盛りを合わせようとせず、心の余裕を持って少しずつのんびりと追い込んで行くのがコツだ。

次は、実際に材を切断して最終調整を行う。フェンスのスライド部を適当な長さにセットし、材を切断して切断の開始部分(下の写真の材の上部)と切断の終了部分(下の写真の材の下部でノギスが当たっているところ)の2カ所の幅をノギスで計りノコ刃の傾きをアラインメントカムで調整する。

私は5mmずつ切断していき6回目で5/100mmの精度(ノギスの精度)に調整が出来た。ちなみに、5/100mm移動するのにアラインメントカムは20度くらい回転すれば修正できる。



アラインメントカムの回転が決まったら、ソーロケーターの固定jネジを緩めてマルノコベースに密着させネジを締めて固定する。この時、テーブルを外してスライドシャーシを裏返さないでソーロケーターを締める。この方法は、取扱説明書に書かれているので参考にされたい。

マルノコの位置関係をズレずにアラインメントカムを固定するコツは、まず、4つあるアラインメントカムの1つだけを緩めてマルノコベースに密着させて締める。これを4回繰り返して全体を締め上げる。2つ目のアラインメントカムの調整は対角のものを選ぶこと。



以上の調整は根気よく繰り返し行う必要がある。大変であるが、今後のマルノコ盤の精度を左右すると思って、途中コーヒーでも飲みながらじっくり調整することをおすすめする。


マルノコ盤の調整(再び)

以前、使用しているマルノコ盤(トリトンワークセンター2000)の調整をし直した。インターネットを見ていると、皆さん調整に苦労されているよう。精度がいまいちという声もあるが調整さえきっちり行えばDIYの範囲内では十分な精度を確保できるhttp://www.popurri.jp/cat163.php。ただし以下に示すいくつかの問題点を感じている。

@使用していると少しずつマルノコ位置がズレて来る。→マルノコの固定方法の工夫
特に感じるのはマルノコとフェンスの平行だ。マルノコはマルノコ固定板にプラスチックのスペーサーで固定されている。これが少しずつズレてくると思われる。

A折りたたみを意識した設計なのでボディ剛性が不足している。→足の部分の改造


まずリップフェンスを固定してノコの位置をそれに合わせる方式をとる。今回、それを再実施するとずいぶんノコの位置が変わってアラインメント・カムが入らなくなってしまった。





アラインメント・カムは両方ともずれている。今回は使わないことにする。





またずれるかもしれないので罫書線を目印に入れておくことにする。





オーバーヘッド・サポート・ガイドを再調整する。やすりで修正中。







トリトンワークセンター2000の改造(その1、足の改造)

トリトンのテーブルソーは、足が折りたためるようになっている。が、それが設定の安定性が悪くなるという欠点になる。これはフレームの微妙な狂いを生じ制度が悪くなる原因になっている。そこでリジッドな土台を作ることにした。

テーブルの高さは維持したままで4本の足を横桟で補強することにする。





トリトン移動用のホイールキットを用いるために足をトリマーで加工する。ツーバイ材の幅がトリトンの元の足の幅より若干狭いのでストレートビットを使ってツーバイ材の足の厚さを若干薄くする。






ガイドを使わずにフリーハンドでやったがまあまあ。






ホイールキットを取り付けた状態。下の写真はたたんだ時のものだが、横桟と干渉するため横桟に切り欠きを入れている。







ホイールを出した状態。上部に切り欠きが見える。最初から干渉しないような位置に横桟を配置すればよいのだが上に上がりすぎて安定性が悪くなることを懸念した。







ホイールキットをたたんでトリトンを床面にセットした状態。








ホイールキットを出して移動状態にしたところ。







車庫の床はコンクリートだが微妙に凹凸がある。足の長さを正確に同じ長さにしてもガタが出てしまう。これを無くすためにワークセンターセット位置により足の長さの調整が微妙に出来る機構が必要だ。このためウッドアンカーを足に埋め込みボルトで高さを調整できるようにする。ウッドアンカーは六角レンチで締めこむ。







ウッドアンカーを埋め込んでボルトを入れた状態。4本の足にすべて装着。ボルトの出し入れで足の高さを調整する。







ワークセンター本体をボルトで固定する。ダストシステムは天板の精度が狂うので使用しない。板でのこ部分を囲んで強制的にダストを吸い込む方式を工夫する予定。








天板を付けてワークセンターをセットした状態。足の長さを調整できるボルト設定によりガタが無くなりすこぶる安定。







テーブルソーのダストコレクション

マルノコがオープンになった関係で、飛び散るダストの量が半端ない。下に落ちるだけでなく回りの棚や置いてあるものへのダストが積もること積もること。同じ工房でスプレイガン塗装もするのでダスト対策をする必要がある。

まずは一番の発生源であるテーブルソーのダスト対策をする。









もともとオプションで用意されているダストコレクターは、有効に機能するがテーブルソーの天板とフレームの間に装着するようになっているので、天板が盛り上がって精度が悪くなるという欠点がある。

今回はフレームをリジッドにしたのでダストコレクターもリジッドにして、重力でダストを下に落とす角推型のコレクターを考えてみる。さらに落としたダストを下から強制的に吸い取るようにすると、テーブル側へのダストも吸い込んでくれるのではないかと期待して以下のような設計とした。。











下の写真のように丸ノコを囲むようにする。お気付きだと思うが、クロスカットモードは一切使えない。私の場合、クロスカットモードは今までに使ったためしがないので躊躇無く関連部品を外している。






下部のテーパーは角錐状にしたほうがダストの収集効率は良いのだが、そこまで凝ると製作が面倒になるので一方向のみのテーパーとした。写真中央の穴は吸引のための穴。

テーバー部分の板は余っていた床材を利用する。床材は表面がツルツルでダストがスムーズに下に落ちることを期待している。






横から眺めると下の写真のようになる。あいている部分に板を張れば完成。








とりあえず側面の板を張って完成。板の継ぎ目は隙間が多少なりとも生じるのでこーキング材を充填しておく。
機構部を組み込むと終了。はたしてダストコレクション効果は如何に。







コーキング材を隙間に重点。






ダストを取り出すホースの接続状況。このホースの先は掃除機。







丸ノコをセットした状態。






テーブルをセットした状態。







トリトンワークセンター2000の改造(その2、精度向上策)

テーブルソーの刃とフェンスのアラインメントは精度良い木工を目指す際のの要とである。今までアラインメント調整を散々行ってきたが、そろそろ限界に近くなってきた。さらにもっと精度良く出来るように改造できないか。特に効果がありそうなフェンスと刃のアラインメント改善に向けて考察してみる。

1.刃とフェンスの位置関係のタイプ
世の中の市販されて居るテーブルソー見てみると大きく分けて3つのタイプがあるように思う。




ワークセンタータイプはフェンスの両側を固定するため華奢な部材で精度を上げることが出来る反面、あらかじめフェンスの両側に目盛りが打ってあるのでフェンスと刃のアラインメント調整が難しい。ノコ刃をフェンスに合わせることになる。ノコ刃を微調整するのは天板を裏返したりと大変。結局、精度がでないことになる。

(対策1)フェンスの両側についている目盛りを変更可能なようにする。


一方、JETタイプやINCRAタイプでは、造作をリジッドにする必要があるものの、固定端が1箇所となるためアラインメント調整は比較的容易だ。

(対策2)ワークセンターの左側には、先にスライドテーブルを製作する際に基準となるレールがある。このレールを利用してINCRAタイプの機構を製作する。

まず、簡単に出来そうなのは対策1だ。


















(つづく)



つづく



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