サイクロン



サイクロンとは

設計

部品集め

サイクロンボディとインレットの接続(罫書き線)







工房の集塵については、トリトンの集塵システムを利用しているが、フィルタータイプなのでフィルターの目詰まりによる吸引力ダウンは免れない。マルノコ盤やサンダーによる細かい粉塵は、すぐにフィルターの目詰まりを起こし、頻繁に作業を中断してフィルターの掃除をする必要がある。

かねてから、これらの問題解決策としてサイクロンの導入を考えていたが、電動モーターの入手や部品調達に時間がかかりそうなので二の足を踏んでいた。

ところが、運悪く(良く?)家の掃除機が壊れた。先端の吸入部分が壊れたので、交換しようと部品を注文しに電気屋に行ったら、型が古いので在庫があるかどうかメーカーに問い合わせてみます、とのこと。ちなみに値段を聞いてみると1万円を超える。古い掃除機なので新しいものに買い換えることにした。モーターは健全なので取り出してサイクロンに使うことにした。

モーターは100V交流用、○○Wなので、かなり強力、十分使えそうだ。ということで、工房の粉塵対策用サイクロンを考えてみることにした。

 

サイクロンとは

DYSON掃除機で有名なサイクロン方式の集塵機は、実はかなり古い技術で製材所などに大きなものが設置されている。

原理は1886年にアメリカのM.O.Morseが発明した。一種の遠心分離器であり、サイクロンの周方向から塵を含んだ空気を流し込み、周方向に空気の流れを作り遠心力で空気より重い塵を壁に当てる。壁に当たった塵は重力で下部に落ちる。これを下部に収集する。サイクロンの中心から塵を除去した空気を取り出す仕組みだ。(下図参照)

 

(本図はWikipediaから引用) 

塵を含んだ空気を直接フィルターでこし取る方式とサイクロン方式を比べると、サイクロン方式の利点は、フィルターの目詰まりが少ないぶん吸引力低下が干満である。一方、欠点は吸引仕事率が低いことが上げられる。これはフィルタータイプがはるかに優れていて、サイクロンタイプはフィルタータイプに比べて1/3であるらしい。吸引仕事率とはゴミを吸い取る力と理解すればよい。

 

設計

インターネットを調べてみると、理論的に計算した上で設計しているものがあったが、計算の対象としているものが流体であった。集塵に使うためには空気を対象とする必要があり、この理論計算値を参考にしても、ほとんど役に立たないだろうと思われる。

DIYで製作されているほとんどの方がカット・アンド・トライで製作されているようだ。一番難しいコーンの製作を如何に手っ取り早くやるか、皆さんなかなか苦労されている。なかには工事現場で使用されているコーンや異経ダクトの継ぎ手などを利用し、出来るだけ難しい加工をせずに精度良いコーンを簡易に作る工夫をしされている方もいる。また、海外ではキットもあり利用されている人もいた。



下の図は、「イスの誕生日(http://www.isutan.com)」を運営されているイスアキラさんのホームページから引用したものだ。イスアキラさんによると図中の各記号は以下の関係にある。

条件:気体の流速 7〜15m/s

D=300〜400mm=2.3×C

B=0.77×C

F×G=C×C

A=D

L=5.3×C

E=(1.1〜1.2)×G










部品集め


コーン
とりあえず、既製のものでコーンに利用できそうなものを探すことにした。下の写真は工事用のコーンである。これを使って少し考えてみることにする。赤線の部分を切断して逆さにして利用する。







モーター

故障した掃除機を分解するとモーターとコードは使えそうだ。念のためモーターの巻き線が断線していないかテスターでチェックしたが問題なかった。




取り出したモーターとコード。





サイクロンボディとインレットの接続

サイクロンボディとインレットの接続は、いずれも円筒なので接続が難しい。接続する際の罫書き線を描くのに、30年以上も前に学校で習った関数を使ってみようと思い、数学の教科書をインターネットで復習してみた。

 

サイクロンボディへの罫書き線

下の図のように、サイクロンボディの半径をR1、インレットの半径をR2とし、サイクロンボディの円周上の位置Yとインレットの投影面上の位置Xの関係をサイクロンボディ上のラジアン角θを使って整理する。



X=R1・θ

COSθ=R1−R2+h

=R2−h

 

以上3式からhを消去しXとYの関係を整理すると以下の式のようにサイクロンボディとインレットの半径の関数になる。

Y=(R2−(R2−R1・(1−COS(X/R1)))1/2

この関数で描かれた図が、サイクロンボディの罫書き線になる。


 

インレットへの罫書き線

下の図のように、サイクロンボディの半径をR1、インレットの半径をR2とし、サイクロンボディの投影面上の位置Xとインレットの円周上の位置Yの関係をインレット上のラジアン角θを使って整理する。



X=R2・θ

R1・COSθ=R2−h

=R1−(R1−h)

 

以上3式からhを消去しXとYの関係を整理すると以下の式のようにサイクロンボディとインレットの半径の関数になる。

Y=(2R1−R2・(1−COS(X/R2)))・R2・(1−COS(X/R2)))1/2

この関数で描かれた図が、インレットの罫書き線になる。







掃除機から取り出したモーターを取り付ける排風ダクト。板をバンドソーで丸く切り出し、ダクトにちょうど入るように調整する。これが結構難しい。やすりで少しずつ微調整してぴったり合わせる。




つづく(sakuronn7)




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