スツールの製作

楓の輪切りをいただいた。私の場合、何か作ろうと思ったら、まず、設計から始めるのだが、今回は、材料を加工してどんなスツールにするかを決めたいと思う。

いただいた材は下の写真。直径30cmくらい。





まず、自動カンナ盤で加工できるように両端をバンドソーで切り取る。刃は直専用の幅の広いものを使う。バンドソーは幅26cmまで加工できる。





自動カンナ盤は、切削くずが半端ない。いつも加工した後に膨大な切削くずをかたづける。結構な労力なので今回は写真のような工夫をしてみた。切削くずを排出する口にゴミ袋を付けただけだが、そのままだと袋が垂れて木材の進行を妨げるので、サポートで袋の端を持ち上げているのがミソだ。





加工した結果を写真に納める。綺麗な木肌、年輪が浮き出てくる。1ヶ月ほどシーズニングしたが、削ってみるとまだ水分が残っていて切削がスムーズではない。今日はここら辺で終了して更にもう少しシーズニングする必要がある。

1枚目、表。





裏。





2枚目、表。





裏。





材が湿っているので自動カンナ盤への負担が大きい。材が焦げて煙が出てきたので、今日はここら辺で終了。

荒削りが終了して数日後、1枚目の写真にある割れ目が拡大していた。材の表面を削ったため乾燥が進み収縮が進んだものとみられる。輪切り材は中心部と周辺部の密度が異なることからこのように割れが生じやすい。材が悲鳴を上げているようだ。

対策としては「背割り」をしなければならない。




バンドソー、自動カンナ盤、カンナを使って更に材を切り出す。背割りも施工した。今回、製作したスツールに用いる座板は写真の左側。右側は別のスツールに利用する。





足の部材を切り出す作業に取りかかる。

2×4材を適当な長さに切断し、自動カンナ盤にかけて厚みを揃える。




基準面を一つに定め、それを基準にカンナ盤で直角を決める。





カンナ盤で削った後に直角を確認する。





足の形状は先に行くほど細くなるテーパー形状にするため材を斜めに切断する必要がある。このためスライディングテーブルを用いるが、材の固定にクギを使用する。スライディングテーブルの精度は改良を加えてすこぶる向上した。




クギによる材の固定の様子。





下の写真のように斜めに切断する。






荒切りでテーパーに切った足の寸法を正確に揃える。そのために当て板を治具として使う。自画自賛だがスライディングテーブルは本当に使い勝手が良い治具だ。持っておくととても便利。









座板との接続のためのホゾを足に作る。4本一緒に治具を使ってホゾを作ってしまう。

まず、ノコ刃の高さ調整。これも治具を使って行う。






ホゾを作る治具は、額のカンザシを作る治具と共通。







仕上がりの様子。





足が出来たので1本だけ組んでみる。背割りを入れた部分なので緩めに調整中。大まかにはマルノコ盤で切れ目を入れてノミで仕上げ。座面にわざとホゾが見えるようにデザインした。普通はホゾは見えないのだが、木工房「家具楽」のスツールにそんなデザインのがあったのでパクッてみた。




寸法的には良さそうなので他の3角に同じような切れ目をマルノコ盤で入れる。丸印はマルノコ盤フェンスの設定を間違えて切れ目を入れてしまった失敗箇所である。いかんいかん!後でパテで修正。





座面と足が大まかに出来上がったので、マルノコ盤による微調整を行う。仮組をしてみるとそれなりにずれているのでノミを使って更に微調整。足の形はテーパーが感じいい。




下の写真の部分を調整する。





ノミでホゾとホゾ穴を調整し木工ボンドを塗って木ねじで固定する。ホゾだけでは今回は弱いので木ねじ2箇所で補強する。木ねじは外から見えないようにダボでふさぐことにする。





木ねじの頭をダボで隠しているところ。木工ボンドがはみ出ているので後で水を染み込ませた布で拭き取っておく。





全体の様子。背割りの部分はどうしようか思案中。割れ止めを入れるか、パテでごまかすか・・・、角を落として全体に丸っぽくしたほうが良いのか、着色したほうが良いのか、座面の木目はどんな塗装すると浮き出るか、楽しみは無限!しばらくゆっくりと迷えそうだ。






木工ボンドが乾いたのでダボを片刃ノコで切断する。片刃ノコは刃のアサリが片側にしかないので母材に傷を付けない。





ダボの切断後の様子。少し出っ張りがあるので後でカンナ仕上げする。







上の写真の出っ張りをカンナで整形。





全体を整形すると・・・微妙な隙間が出来ている。素人は致し方ない。





同様に隙間。





微妙な隙間を修正するのに救世主あり。木工ウッドエポキシというパテ。
私が使用しているのはセメダインのパテだが、2つのパテを混合するタイプ。すぐ乾かない、混合がやりにくいなど蹴っても多いが乾燥時に収縮しないのが最大のメリット。

混合するためにヘラが付属しているが、こんなんで混ぜていると日が暮れる。サランラップを利用してモミモミして混合すると均一に混ざり合う。他のことを考えながらモミモミすれば時間の無駄にはならない。





モミモミ





パテを積めまくってしばらく乾燥だ。このパテは乾燥に時間がかかる。数日間待たなければならない。






トリマーで座面の角を落とす。






私の一番嫌いな工程、ヤスリがけ。ひたすらヤスリをかける。電動のヤスリなのでずいぶん楽なはずだが・・・





座面の角の様子。





トリマーで削ったところが少々焼けているのは愛嬌。






大まかなヤスリがけが終了した後の全体の感じ。








全体を濡れウエスでふきあげる。足の部分に十分水を染み込ませて水引きをしておく。これでかなりの凹凸は木が水分を吸い込んで自然修正してくれる。





ひたすらヤスリかけ、半日ヤスリばかり。トリマーの焼け跡なども丁寧に削り取る。電動ヤスリは簡単だが手で地道にかけるヤスリにはかなわない。





1回目の塗装。ケヤキの着色。今回は水性。乾いたら塗装、乾いたら塗装を5回くらい繰り返す。これも地道な作業。ヤスリかけ同様、私の不得意な領域。







つづく

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