注文イスの設計

そろそろ工房の気温も上がってきて作業がしやすくなってきた。電動工具の整備もほぼ完了したので、注文イスの設計を始める。材料は、製材所へ行って決めるとして設計図を作る。設計図を以下に示す。紙面の都合で小さすぎるので必要な方はメールでご連絡を。大きなものをPDFで提供します。



以前、イスの標準化を行い身長150cm〜175cmくらいの人の体格に合わせた寸法だ。下の表に今回注文のイスの部材寸法を整理した。


No 部品 寸法(cm) 個数 備考
1 後足 3t*73*8.5 2
2 前足 3t*62(要調整)*4 2 (要調整)は座る人の対格から決める寸法。(参考:イスの標準化)
3 笠木 5t*42*5 2
4 2t*48*8.5 2
5 前座枠 3t*48*4 1
6 後座枠 3t*42*4 1
7 側座枠 3t*(要調整)*4 2 (要調整)は座る人の対格から決める寸法。(参考:イスの標準化)
8 前貫 2t*48*3 1
9 後貫 2t*42*3 1
10 側貫 2t*(要調整)*3 2 (要調整)は座る人の対格から決める寸法。(参考:イスの標準化)
11 座板 (要調整) 1 (要調整)は座る人の対格から決める寸法。(参考:イスの標準化)

それぞれの部材の最大寸法を取ると、5.5t*73.5*9(最大値にテーブルソーノコ刃のあさり2.4mmと表面仕上げ代を加えもの)となる。






ゴールデンウイーク中に仕事を少しでも進めようと材料を製材屋さんへ調達に行きました。いつもお世話になっている製材屋さんだが本来はプロ相手。でも私のような素人で少ない材料でも親切に分けてくれる。ありがたい。

今回使用する材料は軽いほうが良いとの要望から米松を選択。4mの長尺だが1/4に切断してもらう。105□×4m×4本。いちおう6脚分。








まずは、加工に時間がかかる後足、笠木、肘の切り出しから。バンドソー、テーブルソー、自動かんな盤を駆使して木屑にまみれながらの作業。一番木屑が出る工程。


笠木の寸法に木取りする。








テーブルソーで切断した部材を自動カンナ盤で奇麗に平面を出す。いつもながら自動カンナ盤からの木屑は尋常じゃない。








自動カンナ盤で平面を出した部材。








ほぞの基準線をテーブルソーで作る。








下の写真のように刃の跡が一直線になっていなければならない。









下の写真で下部2本をメジャーの寸法だけで切断面を入れると少しずれる。0.5mmくらいのずれか?








テーブルソーの切れ目に沿って胴付きで正確に切れ目を入れていく。








ほぞはバンドソーで切り出す。









ここでトラブル発生。バンドソーのソーガイドがうまく回転せずにソーの回転スピードが落ちる現象が発生。ベアリングを見ると下の写真のようにベアリングに傷が・・・

ヤスリで削って再調整。








ヤスリとのみで仕上げる。








笠木のカーブをテンプレートでけがいてバンドソーで切り出す。








切りだした笠木をヤスリで仕上げる。








木目が奇麗に出てくる。








肘の作成。左側のテンプレートに合わせてバンドソーで材を切り出す。両面テープで一度に2枚分を切り出す。









後ろ足の材の切り出し。山のような切りくずが出てきたがその様子は省略。







最初の切り出しは両面テープでテンプレートと材を張り合わせて行う。そのときに釘を使って材を固定できるようにしておくと後から同じ寸法の材を切り出すのに便利だ。






テーブルソーで切れ目を入れる。角度をつけた切断はこの方法に限る。






テンプレートへの固定に釘を使う。釘で位置決めすると、いちいち墨線を入れる必要が無いし同じ形状のものが短時間に加工できる。






残った部分をバンドソーで切断。テーブルソーである程度まで切断した後の切削なので楽であると同時に切削線がゆがまない。






後足の出来上がり。







前足、後足の桟位置を正確に出すジグを作った。ジグというと大げさだが、正確に直角だ出た板の上に角材を貼り付けて下の写真のように足を角材にそろえて桟の位置を確認するためのものだ。ホゾは採寸を正確にしても加工誤差が出て微妙に狂うのを修正するためだ。








桟になる材を同じ寸法になるように束ねてしるしをつける。






後足側の部品がすべてそろった。







ホゾホゾ穴に合わせて切り出すが、緩くなってしまったら下の写真のようにクサビを入れる。ホゾを押し込むに従ってホゾがひろがりきっちりとはまる。







組んでからクランプで締め上げて接着剤の渇きを待つ。






2脚目の一部が完成。木工ボンドを塗りたくってクランプで締め上げる。







今回チャレンジしたのはホゾの作り方である。ホゾの作り方は以下の方法がある。

@胴引きでオーソドックに

Aテーブルソーを使って簡易に

B角のみ盤を使って簡易に

Cバンドソーを使って簡易に

D上記の組み合わせ


(手順)

・ホゾ穴を決めてから現物のホゾ穴に合わせてホゾをけがく
・4方向の首の部分に胴つきにより切れ目を入れる(けがき線の代わり、バンドソーで切り込むときの刃を安定させるため)
・バンドソーでホゾを作る(角のみ盤を使ってみたが木が柔らかい場合切削面がガタガタになる)
・棒やすりでホゾ穴とホゾを調整する
・木工ボンドを塗りたくってホゾ継ぎする(クランプで少しずつ締め上げホゾ穴にホゾを入れる)
・はみ出た木工ボンドをふき取る

ミソは「胴付き出切れ目を入れる」である。こうすると正確に首の部分が決まる。




前後の足が完成。





ジグを使って前後の斜めの桟の寸法を決めているところ。








いよいよ斜めの桟の加工に入る。斜めの桟の寸法は上記の写真のように現物あわせをするが、前後の足が微妙にゆがんでいるため、桟それぞれの寸法が異なる。これらゆがみを取る為に、全ての桟を同じ寸法にする。

下の写真のようにテーブルソーを用いて、4本の桟に一度に切れ目を入れる。全ての寸法を同じにするためにスライドテーブルを使って位置決めに釘で材を固定する。







材は少しずつすらし斜めに固定する。








切れ目を入れた材は以下の写真のようになる。写真では分かりにくいが斜めに切込みが入っていることと、少しずつずれている。







このイスで一番難しい斜めのホゾを製作中。








太い桟の部分はそれぞれの桟が同じ高さにあるので下の写真のようなホゾを作る。








ホゾ作りに失敗したためダボ接続を試みる。








肘の加工に入る。まずサンダーでヤスリがけをする。








下の写真のようにトリマーを使って角の部分を丸く仕上げる。








注文の2脚を作った。後は座板の政策とヤスリがけ、塗装が残っている。





座板を採寸しているところ。ラワンの集成材を用いる。









とりあえず完成。これから塗装、オイルフィニッシュ。




ひたすらヤスリがけ。




オイルフィニッシュ。完成。期限に間に合った。






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