前立腺ガンの疑い





平成19年4月27日

人間ドックでPSAの値がしきい値の4を超え4.5となる。同年8月4日に市内の病院でPSA値を測ってもらうと3.5であった。


平成20年4月28日

人間ドックでPSA値が3.5であった。


平成21年4月3日


今年(平成22年4月)の人間ドックで前立腺ガンの疑いが出た。PSAという検査の値がしきい値を越えたためだ。(5.26でしきい値は4)昨年、同様の検査で同じような傾向が出たが、再検査でしきい値を下回ったので経過観察となっていた。

前立腺は加齢とともに肥大する傾向のある臓器だ。症状としては、頻尿、残尿感等が起こる。年寄りが夜中に頻繁にトイレに行くのは前立腺肥大による影響が多い。

ところでPSAとは、Prostate Specific Antigen(前立腺特異抗原)という前立腺から分泌される物質で、前立腺から精子が体外に放出される時に精漿中のゼリー化成分である蛋白を分解して精子の運動性を高める役割を果たす。

健常者のPSA濃度は0.1 ng/mL以下と低濃度だが、前立腺疾患の場合は4.0 ng/mLと40倍も濃度が高くなるので疾患認識の指標とされる。

したがって、健常男性は、血液中にPSAが浸出することは非常に稀である。前立腺に疾患があると血液中にPSAが浸出し血液検査で測定が可能となる。すなわち血液検査で前立腺の疾患を早期に発見することができる。

平成21年5月19日

人間ドックでPSA値が5を越えたため、再度、厳密なPSAを行った。何が「厳密」かというと通常PSA検査は外部に出すが、正確な値を把握しようとすると内部の検査機関にゆだねるのだそうだ。外部の検査がいい加減だと言うこともないだろうに・・・



平成21年6月2日


結果、4.44という値になった。4〜10の間はグレーゾーンといって前立腺肥大症と前立腺がんとが混在している。統計的に見ても、加齢とともに起こる自然現象である前立腺肥大症と前立腺ガンの存在率が50%となる。

主治医のコメントは、半年後に再度PSA検査を受けて値が悪化するかどうかをみるか、生検を受けるか、2つの選択がある。どちらを選ぶか本人の判断に任せる、とのことだったので、まな板の上でじたばたするのもどうかと思い、生検を受けることにした。




平成21年6月15日、16日

以上のようにPSAの値が高くなり前立腺ガンの疑いが出てきたので生検を受けることになった。検査入院である。そもそも生検とは、患者からがんと疑われる組織の一部を採取し、光学あるいは電子顕微鏡や化学的検査などで調べ、病気の診断する検査だ。ガン組織かどうかを判定する。

前立腺の生検は、1泊2日の入院で済む。前立腺は膀胱のすぐ下、直腸のすぐ上に位置し尿管を取り巻くように存在しているので、肛門から器具を入れて針状の採取器具で直腸を貫通させ前立腺の組織を採取する。採取箇所は状況によるが約10カ所くらいが相場らしい。私の場合は8カ所であった。

エコーを使いながら採取位置を決めるが、大腸菌雰囲気の直腸を傷つけること、尿道を囲むように位置している前立腺に針状の採取器具を刺すので、尿道を傷つける可能性がある。したがって、採取箇所の炎症が合併症として懸念される。これを防ぐために検査前からクラビット錠(レボフロキサシン錠)という感染症防止のための抗生物質を経口で摂取する。

術後、尿と便の採取により血液が混じってないかどうかの確認、体温測定による発熱がないことの確認がなされる。検査前から、化膿止めの抗生物質を飲み、術後も継続して食後に飲む必要がある。また、術後に500mlのアセテートリンゲル液ヴェーンF注(血液や体液が減少したときに水分や電解質を補給し正常に戻しエネルギーを補給する。)を点滴で注入した。1泊2日の入院をさせるのは術後の安静の面で適切な管理を徹底させるためである。

いずれにしても、PSA健診対象といわれている50歳以上の男性は日本全国で2,400万人、これは総人口の約40%に当たる。是非、検診対象の方は臆せずにPSA検査を受診し早期発見に努められたい。病院では、40歳から奨励しているとのことだ。

念のために書き添えておくが、術後の後遺症といえば、直後に何となく下腹部が重い感じがする、場合によっては軽い下痢を伴うといったもので気にするほどのことではない。要は、直後に血尿や血便が出ると採取時の傷が悪化する可能性があるのでやばいのである。


(インターネットから引用)



平成21年6月23日

検査入院をしてから状況は比較的安定していたのもつかの間、19日(検査後4日目)から血尿が出だした。最初と最後に血が混じる。最初に出たときにはギョッとした。ただひどく出るわけではないのでそのままにしていた。

ところがこのような状態がつづいていたが、22日(検査後7日目)に微熱が出ているような感じがし始めた。体温を測ってみると37度。若干の微熱がある。

同じような状態がつづき、心なしか下腹部が重たい。「女の人の生理痛はこんな感じかな」などと、かみさんに冗談を言っていたが、23日(検査後8日目)尿に混じる血の量が増加し熱も上がってきたようなので会社を早退する。

家に帰って寒気がするので体温を測ると38度とかなり高い。病院に電話して今後の処方を相談すると、とりあえず救急で見ましょうということになった。

ヴェーンF液の点滴を受け、血液検査で炎症がないかの確認をした結果、若干の炎症反応が見られた。2時間ほど安静にしていたが熱はいっこうに下がらない。

抗生物質(クラビット錠)と炎症反応を抑える薬(エトナ錠)を処方してもらい帰宅する。翌日、検査にくるようにとの指示。薬のせいか、明け方には熱が37度くらいになりずいぶん楽になった。



平成21年6月24日

尿検査で血が混じっていないかの検査の後、診察を受ける微熱は相変わらず継続していて37度くらいだ。このような状態が数ヶ月続くこともあるので、クラビット錠とエトナ錠を処方してもらう。

生検の結果が来ていたので、緊張して拝聴する。「異常なし」であった。が、年齢的に危ない時期なので半年後に必ずPSA検査を受けるように指導される。

補足だが、尿の排出を良くする薬(ハルナールD錠)を継続して処方してもらった。




平成21年6月25

出勤していたがどうも微熱があるようだ。さすがに血尿は減ってきたが相変わらず薄く血の色がにじむ。帰宅してから体温を測ると38度を超えている。下腹部が重く歩くのも精一杯という感じだ。



平成21年6月26日

会社を休む。熱は38度のまま。高熱が続く。いっこうに改善されない。



平成21年6月27日〜7月2日

高熱、微熱の繰り返しでいっこうに改善の兆し無し。排尿も勢いの劣化、薄い血尿、残尿感、排尿直後の尿管の鈍痛が激しい。違う病院に行って観てもらう。抗生物質と炎症防止剤が無くなってきたので処方してもらう。尿を出やすくするハルナールD錠も合わせて出してもらう。

薬を抗生物質→ミノペン錠、炎症防止剤→オダノン錠に変更し1週間分処方。


平成21年7月3日〜

やっと平熱に戻る。排尿障害は相変わらず継続。排尿も勢いの劣化、薄い血尿、残尿感、排尿直後の尿管の鈍痛が激しい。

前立腺肥大を抑制する薬、セルニルトン錠を今までの薬に加えて処方してもらう。



平成22年4月2日

人間ドック受診。そのときのPSAの値は、9.819ng/mlであった。昨年が5.260ng/mlだったので約2倍程度になっている。




平成22年4月24日

セカンドオピニオンとして近所の泌尿器科に念のためPSAを採ってもらうことにした。値は8.81ng/mlである。確かに増加傾向にある。

症状としては尿排出に時間がかかる程度で支障はない。夜、尿意を催して起きると言うこともないし残尿感も無い。






平成22年5月

MRIを受け前立腺肥大(55×40mm程度)が確認された。癌及び癌の骨、リンパ節への転移は認められなかった。


平成23年4月

CT検査を受け前立腺右葉皮膜に断裂があると診断される。



平成23年9月17日

MRI検査(拡散強調像による診断、前回受検のMRI検査から進歩している(脳ドックで使用するMRIと同じで詳細部まで分かるもの)の結果から

「尿道の周りの一部(TZ)に拡散強調画像で高信号、ADC低下がみられ、癌細胞が出来ている可能性が疑われる。(同年9月2日受検)」(注)

という結果が得られた。

(注)
拡散強調画像で分かることは、@水分子の動きの大きさ、Aその方向の2 つであり、@はA D C 値で、Aの方向は異方性の標準偏差で分かる。拡散強調画像信号とADC値の関係は以下のようになる。

  ● A D C 値が高い→拡散強調画像で低信号(画像では黒)
  ● A D C 値が低い→拡散強調画像で高信号(画像では白)

ちなみに前立腺の癌すなわち悪性腫瘍は細胞密度が高いため、『A D C 値が低い→拡散強調画像で高信号』となる。



これを受けて強調画像で癌の疑いのある部位の細胞を採取する生検を行った。生検は下の図のように経直腸式(肛門から針を刺し細胞組織を採取する方法)と経会陰式(会陰部に針を刺し細胞組織を採取する方法)がある。前回は場所を特定せずにランダムに針を刺すために経直腸式を行った。今回は尿道付近に場所を特定して行うために経会陰式を選択した。したがって、麻酔を会陰部に行った。



抗生剤としてレボフロキサシンと止血剤としてオダノンを処方される。生検後、生検日を含めて17〜21日まで5日間放尿初期に潜血が見られた。結果は月末ということだ。

前立腺癌に対する検査技術は近年著しく進歩した。現在も進歩をしている。



平成23年9月30日

生検の結果は思わしくなく、尿道の右側には何もなかったが、左側の2サンプル中1サンプルに「Atypical glands(異型腺管or異型腺腔)」が確認された。これは癌の可能性が疑われるが、病変部が小さいもしくは組織が変性している為に癌と確定できない状態である。

従って免疫染色にてさらなる検査を実施しグリーンスコアを特定する。グリーンスコアとは、癌の進捗状況を判断するスコアだ。この値によって適切な治療方法が異なる。



ここ数年間のPSA値の変化をグラフに表す。しきい値は4であるが、明らかに上昇傾向にある。








平成23年10月15

9月30日の診断で atypical glands と病理診断され、限りなく癌の疑いが高いことになったため、免疫染色にてさらなる詳細検討をしてもらっていたが、その病理診断結果が出た。

細胞をさらに深切りして切片を免疫染色により観察したところ、「atypical glands は消滅し検出は困難であった」、とのこと。すなわち“今回の切片上に悪性と断定できる組織構造が見られなかった”ということで白黒の診断が下せないということらしい。

このような診断を下された患者は、いったいどのように対処したら良いのか?全く悩ましいことになった。主治医は「様子見」だと言う。すなわち頻繁にPSA検査を実施し、間隔を置いてMRI、CTによって転移がないかの確認を続けていくということだ。癌初期に行われる根治療として選択される“全摘手術は見合わせるべきだ”、という見解である。

しかし、PSA値の上昇傾向を見れば、明らかに加速的に上昇している。生検による細胞観察の結果は、癌の度合いを数値化したグリソン・スコアに乗らないらしいが、前立腺の細胞がいずれ癌化するのは目に見えているような気がする。

とにかく選択すべきはセカンドオピニオンだ。本当にややこしいことになった。





平成23年11月25日

セカンドオピニオンをお願いすることにして、八戸のS総合病院の泌尿器科を訪れる。今まで近所のT泌尿器科で診てもらっていたカルテ、生検サンプルや検査結果を持参した。これらデーター持参について快く承諾していただいたT医院の先生に深く感謝する。

S総合病院では、今までのデーターを見た上で、PSA検査(5.89ng/ml)を再度実施した。この後、超音波による観察と肛門から指を入れての直接診断を行った。また、高感度MRIの予約(11/29)をお願いした。

S総合病院のS先生からいろいろと説明を聞き大変参考になったので書き留めておく。S先生は理路整然とした、かつ、分かりやすい説明で、私自身も分かりやすい説明という点では見習うべきことが多くあり、お若いにもかかわらずすばらしい先生だとの好印象だった。

 

PSAと前立腺肥大症と前立腺がんの関係

そもそもPSAとは(Prostate Specific Antigen 前立腺特異抗原)といい、精子が体外に放出される際に精子の運動の妨げになるたんぱく質を分解するために前立腺から分泌される成分だ。したがって、健常男子の血液中にはほとんど含まれない成分である。

血液中にPSAが多く含まれる場合は2つの原因が考えられる。1つは前立腺に癌が出来たときや炎症があるときのように何らかの疾患がある場合、1つには前立腺が加齢により肥大した場合である。

前立腺の疾患によりPSAが染み出すのはもちろんのこと、肥大した場合はその影響で前立腺からのPSA本来の放出経路である精子放出経路以外の経路、すなわち前立腺表面から血液へ染み出す。

したがって、「PSAが上がる」という現象は前立腺に疾患がある場合、すなわち前立腺がんなどの場合と前立腺が肥大している場合とがあることになる。

 

フリーPSAと結合型PSA

PSAにはPSA単独で存在するフリーPSAとたんぱく質と結合した結合型PSAがある。フリーPSAが20〜25%以下の場合、前立腺の疾患が疑われる。

PSA検査結果は、S病院のようにラボを持っている病院の場合は2時間もあれば結果が分かる。しばらく待てばその日に結果が分かる。私の場合フリーPSAは3.6%という値が出た。前立腺疾患の指標20〜25%を大きく下回った。これは前立腺の疾患すなわち癌が考えられる。ただし、この指標はPSAが4〜10ng/mlの範囲に限られるとのこと。今回のPSAの値は5.89ng/mlであったので4〜10ng/mlの範囲である。

 

PSAの染み出しの仕組み

上述の結果はある指標を示しているが、何故そのような結果になるのか原因は良く分かっていないというのが事実のようだ。推定では以下のような意見がある。

前立腺の構造は柔らかい組織の周りを比較的しっかりした壁のような組織が覆っている。フリーPSAは分子量が結合型PSAに比べて小さいので、前立腺の内圧が上がって前立腺の外側に染み出す場合、フリーPSAが染み出しやすいので結果として血液中のフリーPSAの割合が増えてくることになる。

前立腺に疾患がある場合は、前立腺を覆っている壁が正常な壁より薄くなっている可能性が高いので、結合型PSAの割合が高くなり結果としてフリーPSAの割合が低くなる。統計処理した結果、トータルPSA4〜10ng/mlの範囲でフリーPSAの割合が20〜25%以下の場合、癌の可能性が90%以上あるという結果がある。ちなみに、トータルPSAが10ng/ml以上の場合は、癌との相関関係が全くなく上記の統計結果は当てはまらない。




S先生のダビンチ手術の解説
ダビンチ手術は最近日本での採用されるようになったロボット手術である。精巧に、かつ、緻密に動くマジックハンドで手術を行う。マジックハンドを操作する医師は遠隔操作でTV画像を見ながら手術を行う。
内視鏡で映し出されている3D画像を見ながらの手術なので開腹部位が狭いこと、同じ理由で出血が少ないこと、医師の操作速度を数分の一に減速し手ぶれを補正する機能が付いているため正確であること等により患者への負担が少なく正確な手術が出来ることから、前立腺摘出手術の場合、2日間で退院できる。ただし、保険が利かない場合が多い。
この最新技術を説明するのに、S先生は「小人がおなかの中に入って手術するようなイメージ」と説明された。これを聞いたとき私は思わず子供の頃両親に読んで聞かせてもらったグリム童話「小人と靴屋」を思い出していた。大きな靴を数人の小人たちが丁寧に縫い上げている様子が目に浮かんだ。きっと細かい作業もきちんと出来そうだ。
とても面白い表現だと思ったと同時に実に分かりやすい表現だとも思った。短いフレーズで分かりやすく説明するためには、説明しようとしている内容が話し手側でよっぽど整理されて理解されている必要がある。
そういう点でも、いろいろと勉強になる診療であった。



12月5日

S総合病院での高感度MRIの結果が出た。高感度MRIは拡散強調画像を用いた診断が可能で、癌の疑いのある箇所が画像の中で白っぽく表示される。下の図に示すように、9月の高感度MRI検査で前立腺内腺(TZ部)に前立腺癌の疑いが出たため、その部分を狙った生検を3カ所行ったが、疑いはあるもののはっきりした癌細胞は観測されなかった。

今回の高感度MRI検査で前立腺外腺(PZ部)に前立腺癌の疑いが出た。前回の高感度MRI画像にも同じ部分が白っぽく移っているが、画像診断した医師は「癌の疑いあり」と判断しなかった。今回のセカンドオピニオンでは、この部分にも癌の疑いがあるとのこと。見解の違いか?それにしてもかなりファジーという印象は拭えない。

先生の指導で来年1月6日に生検のための検査入院をすることにした。3回目の生検である。4回の生検で癌が発見されなければ、癌である確率は1%以下となる。なので、4回以上の生検は無意味とのこと。

来年1月6日に予定している生検では、直腸から針を刺して行い、前回と今回癌の疑いがある部位を含めて14カ所の細胞を採取する。





前立腺は上の図のように、内腺部と外腺部とからなり内腺部に出来る癌は前立腺内部に止まって外部に転移する可能性が低い。一方、外腺部に出来る癌は転移する可能性の高い悪性の癌である場合が多い。

生検後の主なトラブル
生検時のトラブルとして考えられるのは、生検針が尿道を傷つけるために生じる血尿、直腸からの大腸菌などの進入のために起こる発熱、前立腺自体に傷を付けることにより精液に血が混じるこ、及びこれら合併症が考えられる。これらは数日から数ヶ月続く場合がある。細菌の進入による発熱は1%程度だとの話だが、前回の生検で発熱した経験から本当に1%なのかはなはだ疑問を感じる。たまたまであったが、救急病棟へ深夜訪れていた患者は私を含めて2名いた。100人に一人だと偶然とは言え患者数が多すぎるような気がする。生検の医者の腕が悪いのか?

前立腺を除去する場合に想定されるトラブル
下の図にあるPC筋(8の字筋といって直腸と尿道を締める役割を担う)、これは尿道を締める筋肉で排尿を止める役目をする。また、前立腺付近には勃起する神経もある。前立腺全摘手術をする場合、これらの筋肉・神経を損傷させる可能性があるため、それぞれ排尿障害、インポテンツが考えられる。前立腺摘出の際、尿道も切断するので縫合が旨くいかなかった場合排尿障害が出る。なお、転移を恐れてあえて全てを除去することを選択する場合もある。

手術が上手くいっても、1ヶ月くらい少量の尿失禁は続くようだ。







3回目の前立腺の生検

セカンドオピニオンということで、八戸のS病院で生検を受けることにした。生検は今回を含めて3回目だ。主治医の先生によると、3回生検をやると正解率(がんか否か、特にがん見逃すことに関して正解という意味)は90%を超えるという。すなわち4回以上生検を行っても正解率の確率はあまり上がらないということだ。

今回の生検は、12日が原則で予備日1日というものだ。高感度MRIの結果に従って疑わしいところを中心に12箇所の細胞を採取する。

 

生検前(平成23125日)

以前の検査結果、カルテを参考に、新たに血液検査(結果はPSA5.89)、心電図、レントゲン検査を実施。高感度MRIも改めて実施しがんの疑いのある部分を特定。(高感度MRIではがんの部分は白っぽく表現される)

 

1日目(平成2414

浣腸により腸内を洗浄。検査直前に抗生剤を飲む。点滴を開始。(退院まで継続)食事は病院食を普通に摂取。生検2時間前から排尿禁止。

生検

超音波プローブで一通り観察。高感度MRI画像上現れていた疑わしい部位は見当たらないとのこと(超音波では限界があるようだ)。

肛門から注射針を入れて麻酔を2箇所直腸に打った後、部位とサンプル番号を合わせながら12箇所の細胞を採取(サンプル1個の大きさはφ1mm×20mm)。検査方法は経直腸的検査で直腸経由で針を刺す方法だ。終了後、直腸壁から出血、止まらなくなった。止血剤をガーゼに塗布し指を肛門に差し込んで10分ほど固定。止血したところで終了。

最初の5サンプルくらいまでは、それほど痛みはないが、後半は下腹部が重たい痛みを感じた。正直言って結構つらいものがある。箇所数のカウントダウンをしていたら、先生から「数えているんですね」と冷やかされる。

生検最中に猛烈に尿意をもようして我慢できなくなったため、うら若き看護婦さんに先っぽをつまんでおまるに挿入してもらって排尿する(う〜!とばかりに苦しんでいる状況で当然のごとく形状に変化無し)。尿意をもよおしているのになかなか出てこない。排尿は結構難航。そのときは血尿は出ていなかった。

生検終了後、安静にしてベッドで休む。排尿はすべて採取し出血のチェックを受ける。以下、排尿状況だ。ちなみに成人の膀胱にためられる尿の量は250〜600ccで結構幅がある。

時間

量(cc)

状態

備考

1/4

13:50

250(?)

 

生検中

 

16:08

250

血尿、オリ

 

 

16:44

275

血尿、オリ

 

 

17:16

250

ピンク、オリ無し

 

 

17:52

280

ピンク、オリ

 

 

18:33

160

ピンク、オリ

夕食後

 

19:28

240

ピンク、オリ無し

 

 

19:57

280

最初だけ血尿

 

 

21:06

325

最初だけ血尿

 

1/5

10

00:21

300

最初だけ血尿

 

 

11

06:34

260

最初だけ血尿

 

 

12

09:05

225

正常

 

 

2日目(平成24年1月5日)

上記表の10番目から日付が変わったが、途中、下腹部の痛みが多くなったので点滴に痛み止めを加えた。

9時時点の排尿は血尿ではなかった。その後、排便をしたが前の血塊(色が赤黒い)は認められたが、新たな出血(鮮やかなピンク)は観察されなかった。直腸の出血も止まっているようだ。

以上の結果から予後の状態が良いので入院継続は必要ないとの結論。予備日は入院の必要がなくなり退院決定。退院当日と翌日の夕方飲む抗生剤をもらって退院した。

予後は激しい運動は避ける必要があるが、日常生活は通常通りでかまわないとのこと。生検の結果は23日に出る。

ところが安静を保っていたにもかかわらず血尿と血便が継続した。おまけに下腹部に鈍痛がある。たまたま3連休に重なっているから良いようなものだが、なかなか通常と同じには行かない。水を2リットル飲まなければならないので、頻繁にトイレに行く。これでは仕事にならんではないか、と文句も言いたくなるが、こればかりは致し方ない。

参考までに使用した薬剤リストを添付する。今までの生検と比べるとずいぶん多くの薬剤が投与されている。特に抗生剤の投与が多い。直腸に穴を開けること、生検のために刺す針が前立腺から尿道への接続管や尿道そのものに損傷を与える可能性があるので、細菌が入り込まないように細心の注意を払っている結果だろう。






平成24年1月6〜9日の経過

尿に血が混じる。時々血の固まりが出てきてギョッとする。特に朝一番で排尿するときのように長時間尿を溜めてから出すときに血液の量が多い。1日2リットルの水を飲むようにしているが、その場合は尿の量が多いためか血液は排尿の最初だけである。
血便は無くなったが、針を刺した直腸の部分が排便の際に痛い。便が軟らかいので軽い痛みで済んでいるが、固い便だと出血する可能性がある。幸い現在飲んでいる水は硬水なので便は柔らかめである。
体温は毎日測定しているが36℃台をキープしている。私の平熱は35℃台なので少々高めである。今のところ発熱は無いと言っていいだろう。


平成24年1月23日 生検の結果

結局、血尿は1月20日まで続いた。生検の日から16日間である。
さて、生検結果であるが、12カ所のうち1カ所は前立腺の細胞が採取できていなかった。代わりに腸の粘膜細胞が採取されていた。針を刺す場所が悪かった、ということらしい。その他11カ所の細胞については、炎症が見られるものの悪性の細胞は無かった。
採取カ所は高感度MRIの画像を参考に、疑いのある部分を選択的に採取した。
今回の生検の所見では、PSAの高値は前立腺の炎症の影響、もしくは、肥大の影響であって、癌によるものではない、ということである。
ただし、私の年齢が若い(?癌が新たに発生する可能性が多い、という意味で若いというらしい)ので、今後、3ヶ月に1回のPSA検査をする事を推奨された。
3回の生検の結果が顕著な癌の兆候が見られなかったので、癌の確率は90%無いということになる。残りの10%は、今後のPSA検査で補っていくということだ。

今回の生検では癌細胞が発見されるかもしれないと覚悟していたが見つからなかった。
「PSAに踊らされた」ということか。

 





2012年4月16日

3ヶ月毎に定期的に行うPSA検査を実施。八戸市民病院では数時間待てば血液検査の結果が出され、その日の内に診断が下される。

今回のPSA=5.50ng/mlであった。これは前回の5.89に比べると同程度であると判断できる値だ。

また、フリーPSA=0.251であった。0.20〜0.25より低い値の場合、前立腺癌の疑いの確率が上がる。検査値は、まさに境界値である。

診断結果は、「3ヶ月後定期的にPSA検査を実施する」である。






今回のPSA値を入れると上昇の様子は以前よりブロードになる。





7月23日精密検査結果

結果は、トータルPSA4.07、フリーPSA0.67、フリー/トータルPSA=0.165。PSA自体は前回に比べて下がっている。

しかし、フリー/トータルPSAが20%以下である。トータルPSA4〜10ng/mlの範囲でフリーPSAの割合が20〜25%以下の場合、癌の可能性が90%以上あるという結果がある。トータルPSAが下がったといって余談は許されない。また、私の年齢としてはまだ高い値だ。

PSAの変化をグラフに示す。このような変化では近似線を書くことに意味がないのは分かっているが、直線近似線を参考に載せる。

次回10月15日PSAの精密再検査予定。






10月15日精密検査結

結果は、トータルPSA4.07、フリーPSA0.99、フリー/トータルPSA=0.243。PSA自体は前回と同じ値。トータルPSA4〜10ng/mlの範囲でフリーPSAの割合が20〜25%となり癌の可能性少なくなる。

とりあえず癌の可能性は少なくなったと言えるだろう。結局、PSAの値に翻弄されたというのがホンネだ。

2009年6月、2011年9月、2012年1月に生検を受けているが、PSAが上昇しているところと合致している。生検は前立腺に多大な負荷をかけることになるので生検とPSA値の上昇は無関係ではないようだ。

PSA値の上昇は、前立腺癌だけでなく、前立腺炎や前立腺肥大症などの良性疾患でも上昇します。また、尿道操作や前立腺マッサージなど前立腺に刺激を与えた後にも上昇します。カゼ薬、胃腸薬などには尿を出にくくする副作用をもつ成分が含まれているものがあり、薬によってはPSA値を上昇させる場合があります

と言うことらしいので、私のPSA上昇は、癌とは別の要因の可能性は十分に考えられる。

次回、生検の予定は2013年1月11日である。

 

2013年1月11日PSA検査結果

結果は、トータルPSA3.28、フリーPSA0.57、フリー/トータルPSA=0.174。PSAは前回より下がった。トータルPSA4〜10ng/mlの範囲でフリーPSAの割合が20〜25%より少ないのが気になる。







2013年4月12日PSA検査結果

結果は、トータルPSA2.81、フリーPSA0.59、フリー/トータルPSA=0.210。PSAは前回より下がった。

私は現在前立腺肥大を抑えるという目的で、セルニルトン(3錠/日)とプロペシア(1錠/日)を服用している。セルニルトンは2009年から、プロペシアは2012年から使用。

ここへ来てプロペシアは主成分であるフィナステリドが40〜50%PSA値を下げるという結果が発表されている。現在の値の2倍というと5.62となりしきい値の4.0を超えている。

グラフを見てみると丁度2012年頃から下がり始めている。

プロペシア服用者はPSA値が服用していない人よりも減少しているので、0.3以上の上昇変化があったときは生検を検討するという指標が出されているようだ。

いずれにしても予断は許されないと言うことだ。



2013年5月25日

民間の泌尿器科でPSA検査を実施、結果はトータルPSA3.32。




2013年7月26日PSA検査結果

結果は、トータルPSA3.71、フリーPSA0.58、フリー/トータルPSA=0.156。PSAは上昇傾向だ。







2013年10月28日PSA検査結果

結果は、トータルPSA3.31、フリーPSA0.69、フリー/トータルPSA=0.208。PSAは下昇傾向だ。フリーPSAの割合も20〜25%の間に入っている。

おそらくPSAの値はここら辺を上下するような推移を示すだろうとの医者の見解だ。PSAの採取周期を半年に伸ばしてもという意見もあったが、サンプリングの定期性が重要と思い、3ヶ月の定期的PSAをとり続けることにした。






2014年1月31日検査結果

結果は、トータルPSA4.09、フリーPSA1.00、フリー/トータルPSA=0.244。PSAは上昇した。フリーPSAの割合は20〜25%の間に入っている。

予想したとおりPSAの値はここら辺を上下している。上昇していることもあり、エコー検査と触診をした。その結果、前立腺表面に癌が逡巡している可能性は低いこと(触診による)、前立腺容積が当初50mlくらいあったものが40.98mlと減少していること(エコーによる)がわかった。服用しているセルニルトンの影響か?

いずれにしても継続して精密検査は行うことにした。





2014年5月2日検査結果

結果は、トータルPSA2.09、PSAは下降した。フリーPSAの割合は20〜25%の間に入っていなかったが適応範囲ではないので当てにならない。

予想したとおりPSAの値はここら辺を上下している。いずれにしても継続して精密検査は行うことにした。







2014年8月1日PSA検査結果

結果は、トータルPSA3.46、フリーPSA0.41、フリー/トータルPSA=0.118。PSAは上昇傾向だ。








2014年11月7日PSA検査結果

結果は、トータルPSA3.06、フリーPSA0.33、フリー/トータルPSA=0.108。PSAは減少傾向だ。









2015年2月6日PSA検査結果

結果は、トータルPSA3.29、フリーPSA0.55、フリー/トータルPSA=0.167。PSAは上昇傾向だ。







2015年5月8日PSA検査結果

結果は、トータルPSA2.91、フリーPSA0.32、フリー/トータルPSA=0.110。PSAは下降傾向だ。









2015年8月8日PSA検査結果

結果は、トータルPSA3.07、フリーPSA0.49、フリー/トータルPSA=0.160。PSAは上昇傾向だ。








2015年11月6日PSA検査結果

結果は、トータルPSA2.80、フリーPSA0.27、フリー/トータルPSA=0.096。PSAは下降傾向だ。次回2月は、前立腺の肛門からの触診、超音波による肥大の状況を確認することになった。






2016年2月5日PSA検査結果

結果は、トータルPSA2.55、フリーPSA0.58、フリー/トータルPSA=0.227。PSAは下降傾向だ。今回は、前立腺の肛門からの触診→異常なし、超音波による肥大の状況→31cc(正常値:20cc、2年前30ccとほとんど変わらず)で肥大は進んでいないことが分かった。











2016年5月13日PSA検査結果

結果は、トータルPSA2.09、フリーPSA0.62、フリー/トータルPSA=0.297。PSAは下降傾向だ。次回は4か月空けることになった。4月1日に行った人間ドックの結果は2.71だった。










2016年9月12日PSA検査結果

検査頻度を1回/4か月に下げた。結果は、トータルPSA2.65、フリーPSA0.54、フリー/トータルPSA=0.204。PSAは上昇傾向だ。




2017年1月20日PSA検査結果

結果は、トータルPSA2.95、フリーPSA0.61、フリー/トータルPSA=0.207。PSAは上昇傾向だ。







2017年4月24日PSA検査結果

人間ドックによる検査結果。結果は、トータルPSA4.291PSAは上昇傾向だ。






2017年5月19日PSA検査結果

結果は、トータルPSA3.46、フリーPSA0.55、フリー/トータルPSA=0.159。PSAは上昇傾向だ。




明らかに上昇傾向なので主治医の先生と相談して5/26にMRIを受けることにする。結果は6/2。



2017年6月2日前立腺MRI検査結果

今回行ったMRI検査は拡散強調画像DWIというもの。水分子のブラウン運動と呼ばれる水分子の動き易さを画像化したものである。がん細胞はブラウン運動が活発で画像上では結果として白っぽく映る。

6年前の同様な画像と比較すると、前立腺が縮小している(良い情報)と一部白っぽく映っている部分が無くなっているところと新たに増えているところ(悪い情報)が観測された。白っぽく映っている部分は前立腺内部のごく一部に点のような感じで観察された。

6年前の画像の下の部分で白っぽく映っているところは当時前立腺が炎症していた部分ではないかと推察される。2017年で観測される前立腺内部の局部的な白っぽい部分はがんの可能性を否定できない。ただし、前立腺内部の内腺にできたがんは前立腺内部にとどまり浸潤して外部に転移する可能性は少ない。



拡散強調画像で白っぽく映る場合は、がんだけではなく炎症を起こしている場合も同様な画像を得られることから、今回の判断は様子を見るということで1か月後に再度PSA検査をすることになった。

この場合、PSA値が上昇傾向にあったら生検を実施するという判断になる。

白っぽく映っている部分は、がんの疑いがあるので生検でその部分の細胞を採取し、病理分析をするという流れになる。PSA値が上がったからといって生検に走るよりは、画像でターゲットが限定(白っぽい部分)されるので生検の精度が格段に良くなる。






2017年9月1日

結果は、トータルPSA3.52、フリーPSA0.70、フリー/トータルPSA=0.199。PSAは上昇傾向だ。







今回の結果がわずかに上昇傾向にあるということ、前回の拡散強調画像DWIというMRA検査に白っぽい影があることの2点から、精査を実施し細胞サンプルを採取することにした。

9/11入院のための検査、9/13に精密検査のための入院予定。


2017年9月13日〜14日生検

2012年1月に生検を受けて約5年ぶり4回目の生検だ。前立腺生検奮戦記録。

10:30に浣腸。ソルラクト輸液500ml点滴開始。昼食後にレポフロキサシン錠500mg経口摂取(殺菌作用)。

出血、便もれを想定し漏れパッド(意外に快適)をして検査。麻酔を肛門内に二箇所。12箇所採取、最後の2箇所が結構痛い。手術時間や約30分。

術後、尿を採取しビニル袋に貯めておくよう指示される。終了後すぐに尿意と便意をもよおし排便排尿。尿は100CC、若干の血液、便の方はほとんど血液なし。

YDソリターT3(水分及び電解質の補給)に点滴切り替え。止血剤が入っているとのこと。

1回目の排尿には出だしで少し薄い血液が見えた。2回目は200cc、3回目は200cc。途中で水分補給、いずれも血液はないようだ。今回は予後がかなり良いような気がする。

血尿がすでに出なくなっている。4回目は全く血は出ていない。200cc。

今回は予後がかなり良い。1回に貯められる尿の量は200ccくらいのようだ。5回目250cc全く血は出ていない。

4人部屋で3人入っている病室であった。同室の人は、胃ガンで胃を切除して抗がん剤、放射線治療をしている。抗がん剤の影響で食事がほどんど取れていないようだった。

確かに病院食は決して美味しいとは言えないが、食事ができないというのは本当に辛いと思う。私のように まずい病院食でも美味しく食べられるのは幸せと思わなければとつくづく思う。

夜も5回の排尿。各200cc。やはり少し血が混じっている。点滴はソルラクト輸液(ミネラルを送り込むため)に変更。朝まで継続。朝の排便には血は見られない。排尿には若干の血が見られるが殆ど分からないレベル。

翌日、退院が決定。結果が分かるのは10/13。


退院後の排尿時に血の塊が出る。血の塊はドロッとしたゼリー状の塊だ。排尿の初期に薄い血の色が出る。水を大量に飲んで早く血の塊を出さねば。詰まったら大変。




「その他」に戻る